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奈良の子ども白書づくり実行委員会のブログ


by kodomowomamoru

第4分科会 《子どもと地域》

第4分科会 《子どもと地域》

☆学校選択制と地域☆

日本経済団体連合会(経団連)は「義務教育改革についての提言」(2006・4)
をまとめています。
主な内容は①多様性②競争③評価の3つで整理しています。
「多様性」は株式会社も含めた事業主体の参入を認める規制緩和の方向です。
「競争」については「教育機関間の競争促進」とまとめており、
実際は学区制を外し、保護者が自由に選択できるようにすることです。
東京都足立区では、学区を外し、
学校選択制を導入している生徒が集中する学校とそうでない学校が生まれています。
さらに区独自の学力テストを導入し、
その結果を公表することで一層競争に拍車がかかっています。
また足立区は2007年度から学力査定による予算配分の導入を検討しています。
このような学校間競争を促進する動きは情緒障害児の答案を
保護者の了解を得ず採点から外すという不正を引き起こす事態まで作り出しました。
政府が進めようとしている教育改革はこうした経団連の教育改革の提言と同じ方向です。
教育基本法の「改正」、全国一斉学力テストの実施などはその典型といえます。
学区制の廃止及び学校選択制は大きく地域の様相を変貌させ、
子どもも親も自らの所属する地域や団体の見直しが始まります。
今まで地域の諸団体、例えば町内会、自治会、子ども会などは
小学校単位で構成されていて、PTAへの参加とこうした地域の諸団体は共通していましたが、
学区制の廃止と学校選択制によって、まずここから崩されていきます。
いわば、子どもと地域が切り離されていくことに繋がっていきます。

☆児童館等子ども施設と地域☆

乳幼児、小・中・高すべての児童を対象にした児童館は全国に4577館あります。
しかし、利用者は小学生が67、6%、中学生6、1%、
高校生1、9%(2003/4~9月全国児童館連合会調べ)と
中高生の利用は皆無に等しくなっています。
中高生の居場所は地域にあるでしょうか。
中高生は地域のどこで過ごしているでしょう。
中高生も利用できる質の高く魅力ある児童館の設置が求められています。   
学童保育はようやく16668か所になったというものの大規模化が深刻になっています。
小学生を対象とした放課後子どもプランが2007年度からスタートしました。
学校施設を活用して1~6年生まで対象にした放課後子ども教室が始められました。
児童館はじめ学童保育の職員は非常勤、アルバイトなど不安定雇用で
子どもの成長・発達に責任を負う身分にはなっていません。
放課後子ども教室はボランティアです。児童施設に関わる職員が不安定雇用では、
子どもが安心して生活できる場所としての体制は不十分なのです。

☆子どもが主人公の地域ネットワークづくりを☆

①地域の子どもの実態を多方面から深く出し合い共有しましょう。
②子どもが主人公になるための国・自治体・地域住民の役割・課題を明らかにしましょう。
③子どもが主人公になる様々なネットワークづくり(特に児童厚生員、学童保育指導員、学校教員など職員の)について探求しましょう。
  (全国学童保育連絡協議会 前田 美子)

《レポート》

「『子ども・青年・父母の対話集会』の活動」
   澤田稔、藤波 聖也(京都子ども勉強会)中別府 亜也(児童劇団やまびこ座)
   黒田 晃(京都子どもを守る連絡会)

「なんなん?おもしろ体験隊」
   楠木 宏実(財団法人奈良市生涯学習財団 南部公民館)

「地域少年団活動~異年齢集団で育ちあう子どもたち」
   湯川 のぞみ(少年少女を育てる大阪センター)
   宮城 こうた(少年少女を育てる大阪センター)

by kodomowomamoru | 2008-03-12 23:48 | 3/30分科会プログラム