人気ブログランキング | 話題のタグを見る

奈良の子ども白書づくり実行委員会のブログ


by kodomowomamoru

第8分科会 《障害をもつ子ども》

第8分科会 《障害をもつ子ども》

☆はじめに☆

この分科会で、わが子の障害を受容するという障害児の親としての入り口から、
どう学校の先生と共同で育てるか、
青年期を迎えた障害をもつわが子への家庭で大切にすべきことは・・・など、
日々の障害児の子育てについて、たっぷりと話し合いましょう。
 そして、昨年4月「特別支援教育」制度が始まりましたが、
今日の障害児教育についても話し合いましょう。
以下、その話し合いのための問題提起として情勢を記述します。

☆障害者自立支援法の見直し☆

 昨年4月から障害者のサービス利用に一割負担を求める「応益負担」を導入する
障害者自立支援法が実施され、障害者は「くらしていけない」と悲鳴をあげています。
参院選後の新たな政治状況のもと、
障害者と国民の運動が同法の見直しにむけて政治を動かし、
2008年度政府予算に「抜本的な見直しに向けた緊急措置」が盛り込まれました。
今後、「応益負担」の見直しなど、根本的な解決にむけた取り組みが求められています。

☆「特別支援教育」がスタート☆

昨年4月、「特別支援教育」制度が始まり、盲・ろう・養護学校は特別支援学校に、
特殊学級は当別支援学級へと制度が変わり、
小学校、中学校、高校、幼稚園には「教育上特別な支援を必要とする
児童、生徒、幼児」に対する特別な教育が義務づけられました。
 予測されたように、「特別支援教育」施策の一貫として、
障害児学校・寄宿舎の統廃合の動きが一気に広がっています。
また、盲・ろう・養護学校制度から、特別支援学校制度に転換したことによる
学校設置義務の規制緩和が、障害種別を超えた統廃合を促進する契機となっています。
一方、教育条件整備が全く不十分なまま、学校と担任に責任を負わせて始まった
通常学級での「特別支援教育」は、問題点をふくらませてきています。
「特別な支援が必要」と判断されても、実質的に対応する手段はとられず、
介助員や支援員への丸投げやとりあえずの受け皿として
障害児学級に入級していく場合も少なくありません。

☆学習指導要領改訂と教育内容☆

 今回の学習指導要領改訂の最大のねらいは、
改悪教育基本法・学校教育法にもとづく「教育の目標」を各学校において徹底することです。「特別支援教育」とも一体に、障害児教育において、
学習指導要領にもとづく教育課程・教育内容押しつけの攻撃が一層強まることは必至です。
すでに「授業時間数確保」「学習指導要領準拠」の名で教育行政が
学校の教育課程・教育内容に介入する動きが目立っています。
中教審教育課程部会の特別支援教育に関する検討では、
設定された目標達成の効率的な追求を最優先する視点、目標・実践・評価・改善という
PDCAサイクルの強調など、個別指導計画を中核に、
市場原理にもとづく実践が強調されようとしています。
学習指導要領改訂の動きに対する批判的検討と、
各学校における教育合意・自主的教育課程編成のとりくみが一層重要になっています。

☆後期中等教育をめぐる全国的な動き☆

教育行政は「タックススペイヤー(納税者)を育てることを目的とする教育」を公然とかかげ、
卒業してから福祉の恩恵を受けない「自立」をめざす教育をすすめようとしています。
100%就労を目指す高等部単独知的養護学校が次々と作られ、
障害児学校高等部における能力的な再編が進み始めました。
一方、これら知的障害が軽い生徒を対象とする学校を含む知的障害養護学校高等部では、
入学条件に知的障害者手帳の保持などを義務づけ、
LD、ADHDなどの生徒については排除する動きが広がっています。
     (全日本教職員組合・高橋信一)
 
《レポート》

「新設養護学校建設・開校運動と適正化年次計画の問題」
  梶原 弘史(奈良県障害児学校教職員組合)

「我が子と療育・・・その大切さ」
  篠原 稔子

by kodomowomamoru | 2008-03-13 00:02 | 3/30分科会プログラム