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奈良の子ども白書づくり実行委員会のブログ


by kodomowomamoru

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飛鳥は、言わずと知れた古代遺跡の宝庫です。
とにかく掘ったら何か出てきて教科書が書き換わります。

2007年は高松塚古墳の石槨解体
(ニュースなどでよく「石室」解体と言っていますが、正しくは「石槨」解体ですね)
と壁画はぎとり作業の様子が報道され、話題を呼びました。

そのほかにも、飛鳥寺(法興寺)、甘樫の丘、橘寺など
ご案内したい史跡、遺跡はたくさんあるのですが、
今回、私たちがまずご案内するのは「酒船石遺跡」です。

飛鳥には、亀石、猿石など不思議な石の遺構がたくさん存在していて
その目的や由来などが謎に包まれているのが逆に魅力的です。
その中に「酒船石」という不思議な石があるのは昔から知られていました。

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酒を搾るために使われたとか、薬を調合するのに使われたとか・・・
ヘンテコな形とその大きさに、いろんなことが言われてきました。

しかし、2000年に酒船石のすぐ近くから大規模な遺跡が発掘されたのです。
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砂岩でできた湧水設備とそれに続く形で小判形石造物と亀形石造物が発見されました。
これら二つは水槽になっていて、水を溜めたと推定されます。
さらにそれに続いて石を並べた溝や石段があり、全体を囲むように石垣や石敷がありました。

これらの石造施設は、日本書紀に記述される斉明天皇の遺跡と推測されています。
斉明天皇は、あちこちに宮と大規模な石造庭園や運河を建設し、
民衆を苦しめたので、『日本書記』に「狂心の渠」(たぶれごころのみぞ)
と批判めいたことを書かれています。
この施設もその一つなのでしょうか?

その後、平安時代まで約250年間使用された形跡があり、
なんらかの祭祀が行わていたのではないかと考えられています。

そして、2007年10月には、この遺跡の溝から大量のベニバナ花粉が確認されました。
関連記事 朝日新聞

古代の人たちは、ここでいったい何をしていたのでしょうね。
桜の咲く美しい飛鳥の里で、ミステリーロマンを愉しんでください。




・・・といつまでもロマンにひたっていていただきたいのですが、
私たちがこの遺跡を見ていただきたい理由がもう一つあります。

それは、この遺跡が「奈良県立万葉文化館」という施設建設のため
道路工事をしていて発見されたという事実です。
しかもこの「万葉文化館」の建設地からは、
日本最古の貨幣「富本銭」の製作工房「飛鳥池遺跡」が発見されたのです。

にもかかわらず、多くの県民、学者などの反対運動を押し切って
県は、遺跡の上に100本以上の杭を打ち込み、展示棟を建てました。
既成大家の画家による新作万葉絵画の展示という
130億円の県税をつぎ込んだ何とも陳腐で貧困なハコモノ施設でした。
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平城宮跡への地下高速道路建設、遷都1300年行事、
高層ビルやマンション建設と景観破壊・・・
今、奈良の各地で同じ質の問題が起きています。

昔も今も「狂心の渠」(たぶれごころのみぞ)は続いているようです。

酒船石遺跡や万葉文化館などを見ていただきながら
観光・開発と遺跡保存・文化継承のあり方についても
ツアー参加者のみなさんに考えていただきたいと思っています。
by kodomowomamoru | 2007-12-30 19:22 | 3/31桜咲く大和路バスツアー
JR奈良駅を出発したバスは、奈良市から天理街道を
天理市、桜井市へと向かいます。
この道沿いには、まるで展示場のように古墳が並んでいます。

柳本古墳群、大和(オオヤマト)古墳群、纒向古墳群・・・と
まさに群れのようです。

日本の歴史上、とても大切な古代遺跡なのですが、
予備知識がなければ、ただの小山にしか見えないのが古墳です。
ですから、旅の前に少しだけでも知識・情報を学んでおくと
その魅力や意義がわかってもらえると思います。
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特に目を引くのは、「崇神陵」とされる行燈山古墳と
c0147567_15584431.jpg「景行陵」とされる渋谷向山古墳でしょうか。

しかし、なんといっても有名なのは「箸墓」と言われている大市塚古墳。
邪馬台国の女王卑弥呼の墓ではないかという説もあり
内田康夫著のミステリー『箸墓幻想』とそのTVドラマでも有名になりました。

箸墓は、従来、構築年代が三世紀末から四世紀初頭であり、
卑弥呼が死亡したする三世紀前半との時期にずれがあるため、
その可能性は少ないといわれてきました。

しかし、近年、最近、年輪年代法や放射性炭素法による年代推定を反映して、
古墳時代の開始年代を従来より早める説が有力となってきて、
箸墓の築造年代は、研究者により多少の前後はあるものの、
卑弥呼の没年(248年頃)に近い3世紀の中頃から後半と見る説が一般的になっており、
箸墓古墳が卑弥呼の墓である可能性が高くなってきています。

この箸墓を発掘すれば、日本史上の壮大な空白である三世紀あたりの歴史に光があたり
長年の邪馬台国論争にも大きな前進がみられることは間違いないのですが、
現在は、宮内庁により第七代孝霊天皇の皇女、
倭迹迹日百襲姫命大市墓(やまとととひももそひめのみことおおいちのはか)
として管理されており、墳丘への自由な出入りはできません。
発掘調査も自由にできない状態で、「陵墓(皇室の墓)」の調査を認めようとしない
日本の文化財行政のあり方が問われます。

(倭迹迹日百襲姫命とは、『日本書紀』では崇神天皇の祖父孝元天皇の姉妹です。
大市は古墳のある地名。
『古事記』では、夜麻登登母母曾毘売(やまととももそびめ)命です。)

バスから降りて、この大きな古墳をじっくりと眺めてもらいます。
古代のロマンを感じてください。

箸墓の衛星写真
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箸墓の復元模型
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by kodomowomamoru | 2007-12-30 15:28 | 3/31桜咲く大和路バスツアー
子どもを守る文化会議奈良集会オプション企画
「桜咲く大和路バスツアー ~世界遺産候補地(桜井・飛鳥・橿原)をめぐる~ 」
2008年3月31日(月)

青丹よし 奈良の都は咲く花の匂ふがごとく 今盛りなり

桜咲くベストシーズンの大和路の美しい風景を愉しみながら、
旅行会社のツアーでは訪れないような遺跡、史跡(世界遺産候補)を、
二人のナビゲーターの楽しい解説で巡ります。

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【参加費】
 6000円(観光バス、昼食、保険つき)

【ナビゲーター】
◆浜田博生さん(奈良世界遺産市民ネットワーク、元小学校教員)
 元気で楽しい「ハマちゃん節」のガイドは、まさに名人芸。歴史講座はいつも満員です。

◆石橋源一郎さん(歴史教育者協議会)
 現役の中学社会科教員。奈良県の地域史料を豊富に扱う実践家です。

【ルート】
サンホテル奈良(JR奈良駅前)9:00集合、バス発 ~ 
卑弥呼の里(卑弥呼の墓?とされる箸墓古墳など古墳群) ~ 
飛鳥(酒船石遺跡など、石舞台で昼食予定) ~ 
奈良文化財研究所都城発掘調査部展示資料室
(天の香具山のふもとにある藤原京発掘の資料室) ~ 
見瀬丸山古墳(奈良最大の前方後円墳) ~ 
「神武天皇陵」、橿原神宮
(皇国史観にもとづく「建国の聖地」とされた歴史偽造の近代遺跡) ~ 
16:00近鉄橿原神宮前駅解散

【備考】
申し込み者が30人未満ならコースを変更し、電車・路線バスでめぐります。
その際はバス代を返金いたします。

【お問い合わせ、お申し込み】
nara-net-kkm@iam.ne.jp まで。
by kodomowomamoru | 2007-12-24 15:49 | 3/31桜咲く大和路バスツアー
12月23日(日)奈良教育大学において子ども調査結果検討会が開かれました。

2007年秋、奈良県下の小学校19校、中学校13校を対象に
奈良教育大学・子どもの教育と生活調査グループ(研究代表者 生田周二教授)による
「奈良県の子どもの教育と生活に関する調査」が実施されました。
最終的な有効回答数は、小学5,6年生1636名、中学2,3年生1818名の
計3454名
でした。(これは奈良県の対象学年児童生徒数の6.2%にあたります)

この日の検討会には、なら県民教育研究所のメンバーを中心に
大学教授、大学生、大学院生、教諭、養護教諭、公民館職員、NPO職員、主婦など
17名が集まり、それぞれの立場から調査結果についての意見を交換しました。

今回の調査結果は、子どもの学校・家庭生活や意識が
ストレス度や自己肯定感情とどう関係しているのかがひとつのポイントとなりそうです。
そして、「あなたが今、一番したいことは?(自由記述)」に子どもたちが回答した
願い、叫び、本音・・・などが貴重な資料となりそうです。

それぞれの項目ごとに分析する担当者を決定し
1月27日(日)に再度検討会を行います。
そして、3月9日(日)には、中間報告のための集会を行い
いよいよ3月29日(土)の子どもを守る文化会議奈良集会の全体会で特別報告し
30日(日)の「子どものからだと心」分科会で討議
をする予定です。

そして、「奈良の子ども白書」作成へとつなげていけたらいいなと思っています。

みなさん、ご期待ください。そして私たちと一緒に分析、検討して
子どもを守るとりくみに生かしていってほしいと思います。
よろしくお願いします。

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by kodomowomamoru | 2007-12-23 23:38 | 奈良の子ども白書